加齢
老年期、特に70歳代では、加齢による骨量減少が目立ってきます。
閉経直後の骨量急減期には、あまりに急速に骨が溶けるため、血液中のカルシウムはわずかながら増えます。そしてこのカルシウムの増加は、ビタミンDの合成や副甲状腺ホルモンの分泌を低下させ、腸からのカルシウム吸収率が低下してしまうのです。
さらに骨の細胞機能を高める副甲状腺ホルモンの分泌も低下して、骨はますます減ることになります。しかし、閉経から10年も経つと骨の破壊は徐々に治まり、血液中のカルシウム量も元に戻りますが、ビタミンDや副甲状腺ホルモンは、閉経前よりも高くなっていきます。血液中のカルシウムは正常なのにビタミンDや副甲状腺ホルモンがやや過剰に生産、分泌されることで、骨へのカルシウム集積を促し、骨の細胞の活性を高めるために、骨に減少に歯止めがかかるのです。
骨を作る細胞はもともと骨を壊す細胞の約4分の1にしかすぎず、また加齢とともにその働きは低下していきます。ところが骨を壊す細胞の方は、年齢を重ねてもその働きはあまり衰えません。さらに70歳代後半には、カルシウム代謝調節ホルモンも疲労してきます。そして腸はますます老化して、カルシウムやビタミンDの吸収率が低下し、ビタミンDを生産する腎臓の働きも低下していきます。一方、副甲状腺ホルモンはどんどん働きを続けて長く骨に作用しすぎるため、骨は壊れる方が多くなっていきます。
つまり、老年期の骨粗鬆症はエストロゲンの欠乏とは関係のない、加齢そのものによる骨細胞の機能低下が原因となるため、男女ともほぼ同じ条件で骨が弱くなっていきます。50代では大体1年間に2%から3%の割合で骨量が減少していきます。50歳以上の日本人女性の約4分の1が骨粗鬆症だといわれていますが、年齢が高くなるにつれてその割合は増えていきます。