更年期
女性の場合に骨の健康を考える時、一般的に44歳という年齢が大きな節目になり、44歳を過ぎるといつ閉経をしても不思議ではありません。つまり、40歳を過ぎると卵巣機能は徐々に低下し、それにともなってエストロゲン量も低下していきます。
エストロゲンが充分に出ている間は、エストロゲンの恩恵は卵巣だけでなく体の隅々にまで与えられ、骨の新陳代謝を抑えて骨を安定させ、脂肪の代謝を促して脂肪の分解を促進させます。ところが40代後半になってエストロゲンが限られてくると、卵巣の働きを維持するだけで精一杯となります。そして閉経はまだ先でも、骨の方は閉経よりも以前に骨量が減ってきます。また同時に脂肪細胞も、エストロゲンの減少にともなって脂肪の分解スピードが落ち、脂肪がため込まれるようになります。さらにコレステロールや中性脂肪がたまりやすくなり、動脈硬化の原因となったりします。
エストロゲンの恩恵を失うと、骨は再び活発に新陳代謝をはじめますが、若い頃とは違って成長させる対象の軟骨がないため、今度は骨を壊す方向に骨の新陳代謝が働いてしまいます。閉経直後の骨量減少は急激なために、これを閉経後骨粗鬆症といいます。一般に女性は閉経から60歳の前半までに、若いころの骨の量に比べて約20%ぐらいの骨を失います。ただし、この頃にはまだ骨粗鬆症の症状は全く現れないため、ほとんどの女性は無症状のままこの時期を過ごします。しかし、閉経から時間が経つとともに骨量の減少率は小さくなり、閉経後5年から7年で一旦閉経による骨量減少が止まりますが、今度は加齢による老年期特有の骨量減少が始まるのです。