妊娠・出産・授乳

妊娠・出産・授乳

妊娠後期になると徐々に赤ちゃんにカルシウムが移行しはじめ、一日約150mgのカルシウムが母体から赤ちゃんに移行するといわれています。妊娠していない時に必要な一日のカルシウム摂取量は、600mgから800mg以上といわれているので、妊娠後期になると赤ちゃんに移行する分のカルシウム量をプラスして摂る必要があります。

また産後の母乳栄養の場合は、母乳からは一日約220mgから250mgのカルシウムが赤ちゃんに移行するといわれています。さらに母乳を作るプロラクチンというホルモンには、排卵を抑える働きがあるので、授乳中の母親の卵巣は休止状態になっており、エストロゲン分泌も制限されているということになります。そのため母乳の授乳期間が長いほど、母体からカルシウムが失われ、卵巣の回復が遅くなることも加わって骨量が減ることになります。授乳を中止して一年以上経っても、骨量は完全には回復しないという報告もあります。

母乳を与えないでミルクで育てる母親の場合は、産後しばらくの間は、骨が壊れる割合よりも作られる割合の方が優性になります。さらに母乳を与えない場合は卵巣機能も早期に回復し、骨量の減少は起こりにくいため、産後は努力次第で骨量を増やすチャンスとなります。

このように出産経験の多い女性ほど、特に母乳で赤ちゃんを育てた場合には、骨量が減少して将来的に骨粗鬆症になるリスクが高くなるといえます。